写真家 三好祐司
インタビュア yoshii
藤代に何度かいらして下さった方ならば
一度は会った事があるでしょうか、みよさん事 三好祐司カメラマン。
着物に野袴と言うスタイルは8年前から変わりません。
3.11の震災後 川崎から長野県諏訪市に生活の拠点を移されました。
月半分のそこでの生活は、どんな物なのでしょう、
お話を伺ってみました。
yoshii
諏訪に越されて5年 そして2年前には理想の古民家生活を
スタートされていますが、いかがですか、住まわれてみて。
三好
そうですね、都会育ちで、いつか脱都会生活をと考えて
この土地にたどり着いた訳ですが、いやあ理想だけでは語れないですね、
田舎暮らしと言う物は 笑
ただそれだけに地に足の着いた生活と言う物を肌身で感じてますね。
yoshii
それまでとまったく違う生活ですよね、
大きく違う点で良かった点はどんな点ですか、
三好
まず畑づくり。食の変化ですね、
そして本来面倒くさいとされる 地域社会と言う物にもともと興味があったので
地域のコミュニティに積極的に参加する事。
年配者との触れ合いは学ぶ物が大変多いんですよね、
yoshii
あ、そうそうお味噌を作ったり 畑もされてましたよね、
三好
まあ野菜作りは真似事ですね、野菜を上手に作りたいとは思うのですが、、、
ご近所に住んでいるのは腰の曲がったようなおばあちゃん達ばかりですが、
彼女達の作る野菜には到底かなわなくて 笑
山ほど 御すそ分けが回ってくるんですよ 笑
yoshii
野菜を買う事なんてないんですね 笑
そうそう 冷蔵庫 ずっと置かれていなかったですよね、
三好
あ、それは買いました 笑
昨年頂いたクレソン
yoshii
電化製品は冷蔵庫位ですか?
三好
そうですね、電子レンジもテレビも無いですね 笑
掃除機はあっても 箒で掃いちゃいますから、古民家は隙間だらけなので
外から入ってきた砂埃とかはそのまま大地に返す感じで。
クレソンやセリが自生しているような自然豊かな場所ですからね、
yoshii
あ、去年クレソン頂きましたー とっても美味しくて
あんなに沢山のクレソン初めてでした。
三好
クレソンって普通は付け合せのような野菜ですが、こっちらでは油炒めにしたり
メインの野菜として食してるんですよ、
クレソンを食べて次はセリで、又次はクレソン、だったり 笑
yoshii
敷地の中に湧き水があってまさに自然の中での生活ですよね、
三好
最悪ライフラインが途切れても まあ 写真家ですから電気は大事ですが 笑
必要最低限の生活はおくれますよね
yoshii
月の半分を仕事に 残り半分を好きな生活に、理想ですよね 笑
お仕事で旅に行かれる事も多いですが、最近は南の島に行かれたとか、
三好
はい宮古島、面白いですね、古いものが好きですから日本の民俗学や風土について
沖縄は平安時代の言語がそのまま方言として残って訛りになっているんですよ、
中途半端な古いものでは無くてとことん古い歴史を追いかけたいんですよね。
よく風景や背景写真って人が入ない瞬間をねらったり人工物が移らない構図を
探るんでしょうけれど、そう言った美観的観点ではなくて
僕の場合 古代の人が見ていたであろう景色や古代から変わってない遺跡があって、
そこで祭りをしていたであろうとか、人が集まっていたであろうとか、って事を想像して写真を撮るんです。
神社にもよく訪れるんですが、実は建築にはさほど興味が無くて。
そこに神社が出来るということはそれ以前にそこが聖地として崇められていたわけで、
建物が建つのはその後ですからね、その以前の神聖な土地に惹かれる訳ですよ。
yoshii
ファインダーを通して古代を見てらっしゃるんですね、
みよさんの写真はそれを物語っていると私も感じます。
是非 風土の出版物 創刊してほしいですね 笑
三好
はい そのうち 時間を作って 笑
プロフィール
1978年大阪府堺市生まれ。大学入学のため上京。
2001年 スタジオオン入社、写真家下光彰二氏に師事。
2005年 独立後、フリーカメラマンとして東京を中心に撮影業に従事。
2011年 東日本大震災を機に、自然の中での暮らしを目指し信州に転居。
転居を機に以前から取り組んでいた和文化への傾倒を深め、
仕事の内容も和文化を中心としたものへ特化した。
写真家 三好祐司 / Yuji Miyoshi Photography (miyophoto)