<伊根の舟屋>
いつだったかテレビの旅行番組で伊根の舟屋を知ってから、
この舟屋の町並みをそぞろ歩いてみたいと思っていました。
海岸線に沿って230軒あまりの舟屋が立ち並んでいるという特異な景観の中で、
ゆったりとした時間を過ごしたらどんなに心地いいだろう?
と、昨年暮、繁忙期&紅葉が真っ盛りの頃にふらっと出向いてみました。
(鈍色に舟屋の風情がよりひきたちます)
(2日目は少し高台へ昇って景観を眺めてみました)
丹後半島を含めて別名「海の京都」と言われていて、
この伊根湾では地の利を生かして漁業が盛んに行われてきたそう。
お世話になった民宿では、朝と晩に獲れたての新鮮なお魚を調理して出して下さいました。
舟屋をリフォームして民宿に仕立てたということで、以前、船を停泊していた場所が、
いまでは海上レストランになっています。
ほぼ、海上目線で頂く新鮮な魚介類。贅沢な時間でした。
ところで、カメラを片手に散歩していると、あちこちで見かけるのが魚のメザシ。
獲れたての魚を自宅の屋根等々に干しています。
この土地ならではの生活の知恵ですね。
古くは江戸時代に建てられた舟屋もあるということですので、
当時からこのような日常の光景が続いてきたのかと思うと、時間の重みをひしひしと感じます。
今回の旅はほとんど下調べをしておらず、
とにかく2日間舟屋を散歩して過ごす予定でしたが、
初日到着後、
真っ先に見つけたのが「靑竈(chinzao) 」さんという台湾茶葉専門店。
舟屋でゆったり海を眺めながら台湾茶をいただけて、
贅沢なひと時が過ごせるお店です。
2日間の滞在期間中、連日通わせていただきました。
(おいしい鉄観音をいただきました)
飲む前に、まず右の茶杯にお茶を注いで香りを嗅ぐところから始まります。
二煎目・三煎目と淹れる度に、香りと口当たりが引き立ってくるのがわかります。
お茶は匂いと味、そしてその変化を楽しむものなのだと、ここ伊根の舟屋で実感。
海面目線で静かな波音を聞きながら、ただただ、ゆったりとした時間だけが過ぎていきます。
(お茶請けに頂いた干し無花果は、甘みがギュッと詰まっていておいしかったなぁ。)
<丹後ちりめん>
丹後半島といえば、丹後ちりめんの産地。
伊根から車で小1時間で江戸時代〜昭和初期にかけて、
ちりめんの生産で栄えた「ちりめん街道」に行けるということで散策してきました。
いまでもこの街道沿いには丹後ちりめんの反物を扱うお店が立ち並んでいるのですが、
残念ながらどのお店もこの日は全て休店でした(涙)
しかしながら、街道の雰囲気や当時とても栄えた場所と想像しながらの
散歩はとても楽しいものです。
唯一、ちりめんで作られた暖簾を見るだけでも、目の保養になりました。
本当にゆっくりとした時間を過ごしたかったので、
京都の紅葉にも目もくれず、
天橋立にも立ち寄らず、伊根のみの2日間。
ひと味違った京都旅を堪能できました♪
<アクセス>
伊丹空港より車(レンタカー)で約2時間30分(約150km)
周辺の観光名所としては天橋立や城崎温泉があります。
伊根にご興味おありの方、こちらもどうぞ。
伊根町観光協会
(文と写真:しん)